ニキビ治療とピル

ピルによるニキビ治療

今回のメインテーマである、低容量ピルを服用するニキビ治療です。ピルによる治療の目標は、体質の改善です。ピルを服用することでホルモンバランスをコントロール。徐々に体質を整えていきます。
 
しかし、あご周辺のニキビは厄介です。あごの周囲には皮脂腺が多く集まり、炎症が治まりにくいことが原因です。ただ、ピルによる治療は、とても有効な解決策です。
 
ニキビの状態によりますが、軽度のニキビなら1ヶ月程度で効果は感じられるはずです。継続して服用することで、毛穴の詰まりが解消されていくため、ニキビ自体、発生することが減ります。ただし、肌の状態が良くなってきたからといって、服用を止めると元に戻ってしまいます。大切なのはニキビのできやすい体質を改善することです。
 
 

ニキビ治療のピル、ピル服用方法

低用量ピルは、生理初日から服用を開始します。毎日1錠、なるべく同じ時間帯に服用します。低容量ピルのシートは4週間分。21錠入りと28錠入りのタイプがあります。
 
低用量ピルは、3週間続けて服用したら、次の1週間は服用を止めます。28錠入りのタイプは、最後の1週間分に偽薬が入っていて、飲み忘れを防ぐ効果があります。ちなみに偽薬はしょ糖などでできていて、体への影響はありません。休薬期間中にニキビが悪化する場合は、かかりつけの医師に相談してください。
 

ニキビ治療でピルを服用する際も、おぼえておきたい副作用

ピルは有用な避妊法であり、ニキビ治療を含む、女性にさまざまなメリットをもたらしますが、注意すべき副作用もあります。
 
  • 血栓症
脳梗塞や心筋梗塞を含む血栓症は、ピルを服用する上で最大のリスクです。ただし、この血栓症になる確率は極めて低く、30歳の女性2万人に1人ほどと言われています。
 
また、ピル服用を開始する前には通常、問診、そして血液検査を行い、このリスクがないかどうか慎重に判断されます。過去に血管系の同様の病気を患ったことがある場合はピルを服用することはできません。また、喫煙者も血栓症のリスクがあるため、ピルの服用はできません。もしもピル服用中に、ふくらはぎの痛み、むくみ、息切れなどを感じた場合はすぐに病院に向かってください。
 
しかし、繰り返しますが、極めて低い確率でしか血栓症になることはありません。
 
  • よくある副作用
ピル服用により、頭痛や乳房の張り、吐き気などをおぼえることがあります。これはピルを服用することで、擬似的に生理前のような状況を作り出しているために起こります。ただ、多くの場合、1週間程度で副作用は治まります。
 

ニキビをきれいにするために、ピル以外にやれることもやる

ピルの効果により、肌やニキビの状態が良くなってきたら、ホルモンバランスを安定させる生活習慣を身につけたいところです。
 
適度な運動はストレス解消に効果があります。また質のいい睡眠がとれる環境作りをしてみましょう。寝室のカーテンやライティングを変えるだけでもいい効果があるかもしれません。また、なかなか難しいかもしれませんが、バランスのいい食事を心がけましょう。
 

ピルによるニキビ治療の後は?

ピルによりニキビが治った後でも、やはり再発を抑えるためにストレス解消や、快眠、バランスのいい食事習慣は継続することが大切です。お肌の健康のために重要なビタミンA、C、Eなどは積極的に摂りましょう。コラーゲンなどをサプリメントで摂ることも効果的です。アルコールは皮脂腺を刺激する可能性があるので、やはり控えめにしておきましょう。
 
タバコは大問題
喫煙でニコチンが体内に入ることにより、ビタミンCが破壊されます。ビタミンCはお肌のターンオーバーを促す大切な成分です。そもそもピル服用中にはタバコはおすすめされないはずです。
 

一般的となった、ピルによるニキビ治療

低用量ピルによるニキビ治療は今や一般的なものです。ホルモンバランスを安定させることにより、根本的なニキビ体質の改善を図るこの療法。女性の生活を豊かにしてくれる治療法です。